当店をインターネットを通じてご覧になられて、日産 モコの車検でご入庫いただきました。元々はマフラーの修理のご相談でしたが、車検の時期も近いので、マフラー修理と車検を一緒にご依頼いただきました。初めてのご利用ありがとうございます。
まず初めに90℃近くの温水高圧スチームで、エンジンとミッションなどエンジンルームの中を、上側と下側両方から汚れを落とします。
下廻りや足回りなども同じく、高圧スチームで汚れをしっかりと落としてキレイにしていきます。
下廻りは、走行中に付いた泥や道路に撒かれた融雪剤によって、汚れやサビが発生することもあります。
2年ごとの車検の機会に高圧スチームをすることで、車の寿命を延ばしましょう。
オプションで、下廻りを乾かしたのち、下廻りの塗装も承ってます。
電気関係の点検です。
左側のヘッドライトが切れていますね。
保安基準不適合となりますので、新しい球に交換し、後程しっかりと光軸調整をさせていただきます。
ブローして乾かしている間に、手際よくブレーキを分解して整備していきます。
ブレーキパッドを外して乾かしています。
外したパッドは角が立ってますので、ブレーキパッドの角落としをします。
角が立っていると異音原因になります。
完全に乾いてから、鳴き止め剤を塗布します。
リヤのブレーキの分解です。
ドラム式ブレーキです。
左右ともにブレーキが減っていましたので交換していきます。
分解して組み替えていきます。
4枚のうち左右のフロント側2枚が減っていました。
2枚はまだ引き続き使用できる状態でしたので、通常は4枚セットの部品ですが減っていた2枚のみを新品に交換します。
左側が取り外したもの、右側が新品です。
比較してみると新旧で厚みの違いがよく分かります。
左側は、鉄板部分より薄くなっています。
十分使い切りましたね!
新品のライニングは角が立っていますので、異音防止のため角を落とします。
このように作業してから組付けます。
分解や交換後は、あたりが微妙に変わり異音の原因となります。
リヤ左側です。
清掃してブレーキを組付けます。
継続使用のライニングの方にも、角落としの加工を施してあります。
下側も同様に加工してあります。
「ブレーキの鳴き」は運転中気になりますよね。
細かいことですが、しっかりと作業してありますのでご安心ください。
油漏れの点検をします。
今回は大丈夫です。
ついでに専用グリースを補充して錆びつきを予防します。
ドラムを清掃してから取り付けます。
ドラムの内側は錆びたり、ブレーキの摩擦で発生した鉄粉(ブレーキダスト)が溜まり付着しています。
しっかりときれいに磨いてクリーニングしてから取り付けます。
リヤ右側です。
左側と同じように減っている進行方向側の方のライニング(ブレーキシュー)を新品に交換、後ろ側は継続使用で大丈夫です。
こちらもブレーキの鳴き防止のため、上下の角を落とす作業の後、清掃して取り付けます。
右側の油漏れの点検です。
こちらもOKです。
錆びつかないように専用グリースを補充します。
錆付き防止の予防整備です。
次にフロント足回りの点検と整備をします。フロントの左右両方同様の作業をしていきます。
ブレーキの固着がないか点検、専用グリースを補充してひと手間かけた予防整備をします。
ブレーキの油漏れをチェック。
見た目で分らないブーツの中側で、油が漏れてないかを点検します。
事前にご相談いただいた排気ガス漏れの修理をしていきます。
ガスバーナーで、腐食したボルト2本を外していきます。
まず準備として、すぐ隣にあるゴム製のラジエータホースを、バーナーの熱で溶けないように囲い作業をします。
熔接修理もしますが、今回は熔接しているわけではありません。
錆びている部分を熱して錆付きを取っています。
赤くなっているのがわかりますよね。
もし普通に外そうものなら、触媒側にボルトが折れ込んで残りますので、最悪は触媒(高額)の交換となってしまいます。
ガスバーナーを使用してもとれない場合もありますが、今回はボルトは折れることなく無事外れました。
腐食していたボルトが外せましたので、エキゾーストパイプを外して見ていきます。
真っ黒なススが、配管の外に付着しています。
排気ガスが漏れた跡です。排気音もうるさくなります。
このままでは車検にも通りませんし、環境にも良くありません。
修理をして安心安全、地球に優しくお乗りくださいね。
外したボルトです。錆がひどいです。
ボルトとスプリングが錆びついて固着したまま外れてきました。
新品との比較です。
ボルトが腐食して細くなり、ネジの部分も短くなってしまっています。
という事で、こちらの新しい、ボルト、スプリング、ガスケットに交換します。
次に取付け側のガスケットと錆をキレイに取り除きます。
グルっと1周すべてをキレイにして、密着を良くします。
凸凹があると、そのすき間から排気ガスが漏れる可能性があるためです。
新しいガスケットを取り付けます
あと取付け面のパイプの内側もキレイにしておきます。
しっかりと規定トルクで締め付けます。
先ほど外したマフラー取付ゴムも元に戻しておきます。
最終チェックが残ってます、実際にエンジンをかけて排気ガス漏れがないかチェックします。
「OK、確認しました!」
下廻りを点検整備していきます。4WDです。
もともと飛騨地方でお使いになられておりますので、融雪剤の影響がみられます。
特に念入りにチェックしていきます。
リヤの左側です。
油漏れ・取付けの緩みなどをみていきます。
ゴム製品のブレーキホースは、経年劣化しますので、ひび割れなどないかチェックしていきます。
こちらは、リヤ右側です。
特にブレーキ関係の部品は、みなさんが心配なところですよね。
安心してお任せください。
デファレンシャルオイルの汚れ具合と量をみております。
OKです。
4WD こちらは前輪、フロント側です。
給油口を外して点検します。
トランスファーオイルの汚れ具合と量をみていきます。
フロント側の足回りをみていきます。
こちらは左側です。
いろいろなところにゴム製品が使われているので、亀裂が生じていないか、またゆるみがないかを1つずつみます。
フロント左側です。
シャフトのブーツは交換してありますね。シャフトのガタはありません。
フロント右側
こちらもシャフトのブーツが交換してありますね。
いろいろな角度からみて異常がないか、修理が得意な整備士のプロの目でしっかり点検しています。
マフラーも再度念入りにみていきます。
特に取り付けの部分など錆びやすいところを見ていきます。
前から見たり・・・。
後ろ側から見たりします。
取り付け部は特に腐食しやすいです。
前からみたり・・・。後ろからみたり・・・。
穴は開いておりませんが、小さなへこみを発見しました。
位置からして、センターのプロペラシャフトと接触したようです。
これだけある隙間でお互いにぶつかったということは、車体へかなりの衝撃があって横方向にぶつかったんだと推測されます。
中に乗っていた人への衝撃が心配です。
後でお客様に確認したところ、ご自身では事故はされてないようなので良かったです。
次は、エンジンルームを整備していきます。
エアクリーナーなどを外していきます。
この下にプラグがついております。
カバーを外します。
まずは、イグニッションコイルに番号を書いておきます。
こうすることで同じ位置に戻すことができ、エンジン不調の場合には、何番目のシリンダーで不具合が起きているか確認しやすくなります。
イグニッションコイルを外していきます。
コイルも消耗品です、使った分だけ壊れていきます。
外したコイルを念入りに点検します。
中側もしっかりと異常がないか見ていきます。
カプラー側も異常がないか点検します。
それでは、プラグを外していきます。
と、その前に、ゴミの付着があります。
コイルと配線の下に隠れていました。
カバーが取り付けてありますが、カバーの隙間からゴミが入ってきます。虫が入っていたりすることもあります。
プラグを外した時に、ゴミや虫などの異物がエンジンの中に入らないように、先にエアブローして清掃しておきます。
スロットルボディーの中にも入らないように、きれいなウェスでふさいでおきます。
ついでに、エアクリーナーもゴミや虫が付着して汚れておりますので、エアブローして清掃します。
隙間にたまったゴミなどを、反対側からエアーブローして取り除きます。
エアクリーナーは清掃して再利用します。
汚れがひどいものはお客様のご了承のもと交換します。
きれいになったら、プラグを外していきます。
プラグホールは年数がたってくるとオイル漏れを起こしますので、しっかり見ておきます。
タペットカバーとセットでよく交換する部品なのです。
漏れたオイルは行き場がないので穴の中にどんどん溜まっていきます。
プラグとイグニッションコイルには、ゴムやプラスチックが使われているので、この穴に溜まったオイルによって壊れてしまうことがあります。
外したプラグです。
片側イリジウムのプラグですが、減ってきていますのでギャップ調整します。
隙間が広くなりすぎると火花がとびにくくなり、失火しエンジン不調なります。
不調になるとイグニッションコイルや、他の部分が壊れたりと良くありません。
交換もしたいところですが、整備費用もかさみますので、清掃と調整をすることで、まだ次回の車検まで使用できます。
清掃とギャップ調整しました。
すき間を規定値に調整することで、長く使用できます。
燃焼部分だけでなく、ネジの部分も清掃して取り付けます。
3本使用しておりますので同じ作業をします。
さきほども述べた通りもちろん交換もできます。部品代はかさみますが・・・
余談ですが、プラグの点検は車検項目に含まれます、基本点検の中に入っておりプラグを脱着しますので、交換による作業の費用はかかりません。(部品代はかかります)
続いて、バッテリーのチェックです。
こちらのバッテリーは、キャップからバッテリー液が補充できるタイプなので見ていきます。
と、その前に、取り付け位置が悪く、キャップの上に取り付けバーがきております。
左から3番目のバッテリーキャップが外れないので取り付け直しておきます。
メンテナンスできるバッテリーなので、取り付け位置にも気をつけたいところですよね。
<Before>
バッテリー液が減ってきておりますがわかりますでしょうか?液面の状態でわかるようになってます。
<After>
バッテリー液の補充しました。補充口の中で、液面が盛り上がって見えるのがわかると思います。
要充電などの目安となる、チェックできる窓口はあります。
交換や充電の目安であり、バッテリー液の状態はわかりませんので注意が必要です。
左側のヘッドライトが点かなかったので、球を外して確認していきます。
裏側からコネクターを外して、防水ゴムのカバーを外して交換していきます。
ロービーム側(上側のフィラメント)が切れているのが見てわかります。
新しい球に交換して取り付けます。
エンジンルーム内の、オイルや水など、汚れ具合や、量の点検をします。
悪ければ交換をおすすめします。
エンジンの冷却水が少し減ってきていますので、アッパーレベルまで補充して調整しました。
ロアーとアッパーの間にあれば良いのですが、なかなかユーザー様がご自身で確認や調整することはまずないと思います。ですので途中で補充しなくてよいように、アッパーの上側のレベルに合わせて補充調整します。
タイヤは、亀裂などないか、減り具合をみて変摩耗してないかなどを確認します。
残り溝の点検 → ローテーション → 取り付け → エアー調整 をします。
スペアタイヤも忘れてはいけません。
ご自身では、スペアー交換できなくても、代わりに交換してもらうときにエアーが入っていなければスペアータイヤの意味がありません。
JAFや、保険のロードサービスもありますが来てもらうのに時間がかかります、女性の場合は待っている間にパンク先で誰かが代わりに交換作業してくれるかもしれません。
男性は自力で頑張りましょうね。
当店もご連絡いただければ準備をして伺います。
まるっきりエアーは入っておりませんでした。
もし車検ごとに調整していれば、スペアのパンクでない限り使用できるくらいはエアーが残っているはずです。
おそらくここ数年は調整してないと思われます。
少し規定値より多くエアーを入れておきます。
自然と抜けていきます、時間がたっても残っているようにします。
交換後に、再度ヘッドライトの確認です。
バッチリつきますね。
ヘッドライトが片側切れた状態は、非常に危険です。
運転する時に視界が暗くて見えづらくなりますし、周りからはオートバイと勘違いされ、ヒヤッとすることがあります。
事故が起きてからではいけません。
車検に通らないから・・・というのではなく、ライトが切れていることに気が付いたらお早めにご来店くださいね。
非常用信号灯です。出番はないにこしたことはありませんが、車には必ず備え付けられてます。
これには使用できる有効期限があります。
今回は期限切れでしたので交換し、ご説明させていただきました。
使用期限が少しでも長くなるように、当店では仕入れ先からまとめてではなく、常に新しいものを取り寄せて交換しております。
次はいよいよ完成検査です。
検査に受かればよいというものではなく、しっかりと測定し、光軸の調整もしていきます。
まずは、ヘッドライトテスターを車両中心線にレーザーで合わせて正対させていきます。
この作業が重要で、ここでズレていますと、そのあとすべてがズレてしまいます。
レーザーでピンポイントに合わせていますので、バッチリおまかせください。
車両に正対させた後、次はヘッドライトの中心に合わせます。
まずは、右側から測定と調整をしていきます。
ヘッドライトの中心(ヘッドライト側に合わせマークがあります)に合わせています。
ロービームでしっかりと光軸を合わせていきます。
ヘッドライト裏側から調整できるようになっております。
こちらはしっかりと調整して合わせた後の写真です。
光軸を合わせて、明るさの検査をしております。
明るさもしっかり出ております。
右側が下がっているのは、対向車がまぶしくないような配光に作ってあるからです。
しかし、右側にズレていれば、対向車を照らすわけで相手がまぶしく感じ、左側の歩行者などの発見に遅れます。
また、全体的に上側を向いて入れば当然対向車や、歩行者がまぶしく感じます。
検査の基準・大きな誤差の中にあれば検査自体は受かりますが、安全・安心のためにも、ミリ単位での光軸調整をしてます。
前回の車検から2年もお乗りいただきますと、車両の状態が変わってきますので、現在の状態に合わせてしっかり調整します。
左側も同様に、バッチリ合わせてお客様にお返ししております。ベストな状態です、夜間も安心してお乗りください。
ブレーキテスター・スピードテスター・サイドスリップテスターのデジタルのトリプルテスターを使用しております。
デジタル測定で、0.1mm単位で調整しております。
写真はブレーキの制動力検査の様子です。
他にも、こちらでスピード検査とサイドスリップを検査します。
ブレーキ検査・・・制動力が出ているかと個々の4つのブレーキのバラつきがないかを検査。
スピード検査・・・メーターとの実際出ているスピードの誤差を検査。
サイドスリップ検査・・・車両の直進性能・横滑り量を検査。
点検と調整用の専用ピットです。
こちらで即時に微調整までしっかり作業します。
サイドスリップの調整中です。
0.1mm単位で、ゼロ調整します。
排気ガスの検査です。
排気ガスは出さないほうが環境には良いのですが、出来るだけクリーンな排気ガスになるように、整備でプラグ調整やエアクリーナーの清掃をしております。
マフラーを修理した箇所もバッチリです!
全ての工程が終わり検査に合格しましたら、車内清掃(拭き掃除と掃除機によるシートとフロアの清掃)と外観の洗車(手洗い洗車)をして納車させていただきました。
お車の汚れ具合にもよりますが、掃除にも40分~1時間ほどかけてきれいに仕上げております。
こちらの車検は、ゴールドコースです。
プラチナコースや、シルバーコースもございます。
最後までご覧いただきありがとうございます。
一度ぜひ当店をご利用してみてください。